真実か挑戦か

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目を開けて、違和感に気づいた。見覚えのないところにいたのだ。左右前後方みても、どこまでも続く白しかみえない。こんなの普通にあり得るのか。 「やぁ、お目覚めかい?」 背後からのいきなりの声に驚いた。 さっきまで誰もいなかったのに、どこから現れたのだろうか。 「だ、誰だあんた、ここは一体…」 「君こそだーれ?」 同じくらいの歳の男に、そう聞かれてドキッとした。頭にモヤがかかったみたいに、なにも出てこない。自分の名前も、歳も、今までどこにいたのかさえ。 「お、俺は…」 「やっぱり」 「あ、あんたは俺のことしってるのか?なら、教えてくれ。俺は誰で、どうしてここにいるのか」 「うーん、そうだね、僕は君のことを知っているよ。でも、ただ普通に答えるのも面白くないし、僕にとって得もない。だから、ゲーム形式にしない?そっちのほうが楽しいでしょ」 「ゲーム?」 「真実か挑戦か。知らない?2人で出来るトランプゲームなんだけど」 「知らない、てかそんな遊びに付き合う時間なんか」 「分からないの?今、僕のほうが立場が上なんだよ?別にいいよ、自分のこと知りたくなければ」 「もういい、あんたなんかに頼らない」 人が必死で記憶を思いだそうとしているのに、ゲームとか馬鹿にしている。入口があるから、ここにいるんだ。なら出口もあるはず。そう思い、男から離れ、前方に向けて歩いていく。 男はなにも言わなければ、ついてもこなかった。
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