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白い空間を歩いていたはずだった。なのに、いつのまにか、本当に一瞬で景色が変わっていた。
「ここ、は、学校?」
机と椅子がズラッと並んでいて、大きな黒板もある。
「そうだよ、夕平君が通っている高校の教室。見覚えある?」
扉を開けて、廊下にでる。確かに見覚えがある。去年の夏なんかそこの水道で、水風船投げ合って廊下をビシャビシャにさせて、反省文書かされた。
しかし、誰とそんなことをしていたのかが思い出せない。
「セオ、ここにきたってことは学校関係者か?」
「あ、ちょうどきた。それは、彼女からきいて」
いつのまにか教室には、俺とセオと制服をきたメガネの女子がいた。
「ひさ、しぶり、葉畑君」
「あんたは一体誰?俺とどういう関係?」
「そう、本当に覚えてないのね。…ゲームを始めようか」
確かに俺の高校の制服だ。しかも、俺のことを葉畑君と呼んでいた。先輩かクラスメートか。あの反応からして、俺と特別仲が言い訳じゃ無さそうだ。となると、やはりゲームをして聞き出さなければ答えてはくれないのだろう。
お互い椅子に座り、机の真ん中には、残り42枚のトランプをおいて、始める。
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