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※河原飛鳥視点
俺はいつものように優紀と学校に向かっていた。
何も変わらない世間話をしながら校舎に着いた。
下駄箱を開けると俺のところに手紙が入っていた。
差出人も宛名も書いてない真っ白な手紙だ。
男子校でラブレターという発想がなかったから果たし状かなにかかと眉を寄せる。
優紀とは下駄箱が離れているから俺の異変に気付いてはいないようだ。
中身を覗くと紙と数枚の写真が入っていた。
紙には俺を呼び出す内容が書かれていた。
『昼休み、幽霊が出るという廊下の隅の階段で待つ…怖いなら来なくてもいいよww』という内容だ。
煽る内容で正直写真に素顔の俺が写ってるとかどうでも良くなるほどに怒りが込み上げてきた。
腹立つなと紙を手紙の中に戻し丸めて近くのゴミ箱に投げ捨てた。
「飛鳥、行こうぜ」
「…あぁ」
俺を呼びに来た優紀と一緒に教室に向かった。
これは喧嘩売られたんだよな、上等だ…買ってやるよ。
それにあの盗撮写真、優紀を隠し撮りして売った奴の気がする。
止めさせないとまたあんな変態が増えるのはごめんだ、優紀は俺のだってのに…
それから何事もなく時間は進んだ。
優紀に一応行く場所伝えようかと思ったが、優紀にまた怖い思いはさせられないなと止めた。
それに優紀は教師に止められていたからそれどころではなさそうだった。
…何の用なのか気になったが、後で優紀に聞けばいいか。
廊下に出て呼び出された場所に向かう。
いい思い出がない場所だから正直行くのはためらうが本物の盗撮犯の顔を拝んでやりたかった。
「来たんだ、来ないかと思った」
「俺の性格分かっててあんなふざけた手紙寄越したんだろ?」
「まぁね、自己紹介の時強烈だったから」
派手な金髪を揺らしクククッと笑っていた。
俺の自己紹介を知ってるって事は同じクラスの奴か?
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