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カチカチと時計の針が時間を刻む。
もうこのくらいにしようと手を止めた。
「……飛鳥、なんつー顔してんだよ」
「優紀、頭いいんだな」
そんなガッカリしたような声で言うなよ。
テーブルを挟み向かい合う飛鳥にため息を吐く。
お互い問題を出し合って間違ったら問題を出した奴に好きにされるという飛鳥のエロルールでやった。
結果どちらも間違わず…普通の健全な勉強になった。
飛鳥はこのままだとつまらないと思ったのかわざと間違えようとしていたから「飛鳥が負けたら一日禁欲な」と言ったら真剣になっていた。
そして今の不満げな顔だ、仕方ないなと苦笑いして飛鳥の横に移動する。
「飛鳥、期末が終わったらしような」
「………当たり前だ」
当たり前なのか、まぁ飛鳥だからいっか。
期末期間中は飛鳥には禁欲してもらわないとな、腰が痛くてテストに集中出来なかったら嫌だ。
ーーー
テスト期間が終わり、結果が書かれた紙が壁に張り出された。
俺は赤点じゃなかったら順位とか気にしないから普段は見ないが緊張した顔の紫乃と始により連行された。
途中でトイレに行こうとしていた飛鳥も連れてかれた。
紙の前では多くの生徒達が集まり順位に笑みを見せたり落ち込んだりしていた。
ついでだから俺も見とくかなと自分の名前を探す。
13位か、まぁまぁ上か…紫乃と始は赤点の名前のところだけ確認している。
順位は100位しか載らないから、ランクインしてるとは思っていないのだろう。
何となく流し見で順位を見ていく。
「おっ、飛鳥一位じゃん凄いな」
「……あ?あぁ」
飛鳥は順位を見ていないのかイライラした顔で紫乃と始を見ていた。
二人は赤点に名前がないのを確認して喜んでいた。
赤点は名前が貼り出されるから嫌だよな、ちゃんと勉強しろって事なんだろうけど…
勉強を教えてくれた飛鳥と喜びを分かち合おうと飛び付こうとしたら避けられた。
そして急いでその場を後にした。
そうか、トイレの時連行されたんだしな。
紫乃と始が飛鳥を追いかけていくのを眺めながらもう一度順位を見る。
期末で満点なんて聞いた事ないな……ん?
飛鳥の名前しか見てなかった一位がもう一人いるんだな。
『立花俊太』と名前が書かれていた。
隣のクラスか、ふーん。
俺は昼飯どうするか紫乃にSNSのメッセージを送りのんびり廊下を歩いた。
飛鳥大変だな、と苦笑いした。
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