第五話

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だから友達になりたいとかそういうのだろうか。 紫乃なら友達が増えるの喜ぶだろうしそれならいいと思うぞ。 「…初めて会った時覚えてるか?赤点免れたら俺の言う事聞くって約束…」 「えっ、あぁ…したな、そんな約束」 古城に言われて思い出した、実はそれまですっかり忘れていた。 あの時は飛鳥の事が気になっていてそれどころではなかったからな。 そうなると約束とはやはり友人になってくれとか? いや、命令されてなるものじゃないよな、なりたいなら普通に言ってくれればいいのに… 不器用か?不器用なのかコイツ、素直じゃないしな。 向かい側の本棚に寄りかかる俺の前に立つ。 そして俺の顔の横に両手を付いた、顔が近いのが気になった。 「…どうした?古城」 「………ってくれ」 顔を強張らせた古城は小さくそう呟いていた。 聞こえるか聞こえないくらいの小さくか細い声だった。 でも至近距離である俺にははっきりと聞こえた。 空耳であってほしい…「キスしてくれ」と言ったか?コイツ…
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