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ぴちゃんと髪から水滴が湯船の中に落ちる。
二度目の風呂は疲れきっていて後ろにいる飛鳥に寄りかかる。
何回したんだっけ、途中から数えるのがバカらしくなって数えてない。
飛鳥に頭を撫でられる……頭を撫でられるのは気持ちよくて好きだ。
「たまには甘やかしもいいな、いつもより盛り上がったし」
「……もう勘弁してくれ」
飛鳥は笑うが、俺は笑い事じゃないと怒る。
次は俺が飛鳥を甘やかしてやる、俺の気持ち味わえと企む。
後ろから飛鳥に抱き締められて指を絡ませる。
首筋に顔を埋められて飛鳥の髪がくすぐったい。
もしかして飛鳥、今度は甘えてるのか?俺が甘やかせてやろうと思ってたのに、可愛いやつ。
頭を撫でると飛鳥はこちらを熱い瞳で見つめていた。
「…優紀、俺考えたんだけど」
「ん?」
「乳首に絆創膏貼ればエロい乳首見られなっ、いてっ」
飛鳥の頭をぺちんと平手打ちした、加減したんだ痛くはないだろ。
そんな変態プレイみたいな事するわけないだろ。
エロいとか思ってんのお前だけだ!絶対やらねぇ…
頭を押さえる飛鳥を無視して湯船から出る。
振り返りムスッとした顔で拗ねる飛鳥を見る。
本当に分かりやすい拗ね方するなぁ、飛鳥は…
「飛鳥、好きだぞ」
「…何を今更、俺も好きだ」
そう言うが飛鳥はとても嬉しそうに笑っていた。
言わなくても分かる事だが口にする事は大切だと思っている。
愛はいくらでも言葉で、行動で伝えてもいいものだ。
将来どうなるかなんて誰にも分からないし、それが普通だ。
でも、不思議だ…ずっと俺達は変わらないような気がした。
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