第六話

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紫乃の事だから明日になったら忘れてそうだなと思う。 飛鳥と紫乃は言い合っていて、ついには幽霊の正体が分かるまで帰らないと言い出した。 幽霊の正体なんて幽霊じゃないのか?と呆れる。 このままだとらちが明かないな、どちらが折れるしかないが紫乃は折れそうにない。 「分かった、俺が行く…それでいいだろ?」 「……優紀、ほっとけよ」 「飛鳥は明日早いんだろ?先に寝てていいから」 「………」 紫乃達とはそれなりに付き合いが長いから駄々をこねたら面倒くさいのは分かっている。 俺が行って気がすむならその方が早いだろう。 飛鳥にまで付き合わせられないから俺一人で行こうと思った。 紫乃達に留守番をお願いして早く行って早く帰ろうと思った。 部屋を出たところで振り返る、まだ不満そうな顔がそこにあった。 渋々だけど着いてきてくれるみたいだけど、俺が決めた事だから付き合わなくてもいいんだぞ。 「飛鳥、部屋に居ていいんだぞ?」 「優紀一人行かせられるかよ、また襲われたらどうするんだ」 この学校をどんな学校だと思ってるんだ、男子校だからってそんな奴らばかりじゃないんだぞ。 まぁ飛鳥が転校してきて短期間でいろいろあったから仕方ないのかもしれないなと苦笑いする。 心配して着いてきてくれた飛鳥と共に行きたくもない肝試しに向かうため校舎に向かう。 懐中電灯はないからスマホの光でいいか、スマホの光りを付けて目の前を照らす。 バイトで遅くなったらよくこんな感じの暗い道を歩くが、学校に向かうのは初めてだ。 そもそも開いているのか?紫乃達が入れたなら開いてるんだろうけど… 「…優紀、肝試しって何するんだ?」 「え?飛鳥やった事ないのか?」 子供の頃、誰もが一度は経験してるもんだと思ってた。 まぁ飛鳥はそういうの本当に興味なさそうだからな。 肝試しは暗い場所に向かって度胸を試すものだと教えた。 飛鳥は「…そんな事して楽しいのか?」と疑問だった。
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