第六話

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今ならそう思えるが子供の頃はそれが楽しかったからな。 飛鳥はしばらく考えて微妙な顔をしながら顔を上げた。 「何の役に立つか分からないが、これも経験か」 「そうだな」 そして飛鳥と歩き、正面は鍵が閉まっているから裏庭の扉から行く事になった。 昼は蒸し暑い太陽だったが今はほどよく涼しい。 木が激しく揺れて、何だか少し不気味に思えた。 裏庭の扉は紫乃の言うとおり開いていた、無用心だな。 ギィと音を響かせるから見回りの警備員に見つかったらヤバイからゆっくりゆっくり開いた。 扉をゆっくりゆっくり閉めている間に飛鳥もスマホの光を付けた。 「行くぞ」 「おう」 静かな廊下を並んで歩く、俺達以外には人の気配はなさそうだった。 確か紫乃達は音楽室で見たって言ってたな。 音楽室の幽霊、なんてベタな展開なんだ…ただの気のせいだと思うけど。 隣の飛鳥を見ると飛鳥は真剣な顔で考え込んでいた。
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