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「どうかしたのか?飛鳥」
「…いや、何処かでエロい事出来ねぇかと思って」
「………………お前なぁ」
飛鳥はまだ寸止めがお気に召さなかったらしい。
さすがに夜の学校でヤるほど神経図太くないからな。
飛鳥が性欲爆発させてキレる前に早く終わらせるか。
確か音楽室の肖像画の目が光ったんだっけ。
ただのライトの光だろうな、でも声も聞こえたと言っていたな。
…うーん、始か紫乃の声を勘違いしただけじゃないか?
「…おい優紀」
「どうした?学校ではしないからな」
「そうじゃねぇよ、なんか聞こえないか?」
飛鳥は突然真剣な顔でそんな事を言っていた、聞こえる?なにが?
足を止めて耳をすまして飛鳥が聞いた声を聞こうとする。
すると何処からともなく男の呻き声が聞こえた。
あっちの方向は確か音楽室がある場所だった筈だ。
飛鳥と顔を見合わす、俺達は今誰も喋っていない筈だ。
まさかこれが、幽霊なのか?こんなにはっきり聞こえるものなのか?
「声聞いたからもう帰っていいか?」
「いやいや、紫乃は正体が分からないと納得しないだろ」
「……正体って、幽霊は幽霊だろ」
まぁ飛鳥の言うとおり幽霊は幽霊でしかないけど…
でももしかしたら幽霊じゃなくて誰かが倒れているかもしれない。
苦しんでいる声だとしたら早く助けなきゃいけない。
俺は急いで声がしていた音楽室に向かった。
後ろからのんびりと飛鳥が歩いてくる音が聞こえた。
鍵が閉まっているかと思っていたが、ドアはすんなりと開いた。
「誰かそこにいるのか!?」
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