第六話

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「ぼ、僕はどうしたら気持ち悪い笑い方止められるでしょうか」 「………え?」 「うっ…えぐっ」 少年は深刻に悩んでるみたいで涙目でこちらを見ていた。 どうしたらと言われても、真剣に悩んでいる相手に対していい加減なアドバイスは出来ない。 まぁこのままほっといたらさらに目撃者が増える。 今より大事になりかねない、か…彼にとっても望ましくないだろう。 どうすればいいのか飛鳥にも聞こうと顔を向ける。 飛鳥はドアの入り口に寄りかかり面倒そうだがこちらに向かってやってきた。 「その笑い声、止めれば解決だろ…難しい事じゃない」 「…で、でも…無意識で…」 「なら意識してやればいい、意識して笑い…それを意識して止めれば自然と止まれる」 飛鳥の言葉に少年は目を丸くして驚いた顔をしていた。 俺もちゃんとしたアドバイスで驚いている。 最後に「それで解決するかわかんねぇけどな」と付け足す。 もう用が終わったと俺の手を掴み音楽室から出た。 後ろから少年の「ありがとうございます!」という声が聞こえた。 これで解決すればいいんだけど、後は彼次第だろう。 「しかしまさかSTAR RAINのファンがあんなところに居たなんてな、紫乃が聞いたら喜びそうだ」 「……言うつもりか?」 「いや、長引きそうだからいいか」 行きよりも帰りの方がすっきりした気持ちだった。 きっと幽霊騒ぎの疑問が解決したからだろうな。 繋がれた手から熱が伝わり、指が絡み合う。 俺は飛鳥の横に並んで寮に向かって歩いている。 欠伸して眠そうにしている飛鳥を見つめる。 本当は今頃、寮でのんびりしていたんだよな。 「飛鳥、眠いのか?」
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