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河原が言った事だが、俺もかなり恥ずかしさでダメージがデカかった。
もう二度とやれとか言わないようにとびっきり甘えてみた。
河原は当然固まっていた……そんなに気持ち悪かったか?
さすがにちょっとやりすぎたかな。
笑い話くらいにはなるかと思っていたんだけど…
密着する胸から早くなる鼓動が伝わった。
河原どうした?
少し暖かい季節だが、まだリビングで寝ていられるほどではない。
風邪を引いても仕方ない。
河原の額に触れて熱を確かめようとしたが、河原は目を逸らして俺から離れる。
その手つきが何だか優しいような気がした。
「お前がそこまで言うなら仕方ねぇなぁ…」
棒読みの河原はテーブルに置いていたスマホを取り、操作する。
ちょっと耳が赤いな…もしかしてあんな事言ってて実は甘えられるのに慣れてないのか。
河原の意外な弱点を知りニヤニヤと笑う。
それに気付いた河原は不機嫌な顔をしていた。
別に俺が可愛く見えたわけではない事くらい分かってるから、そんな怒るなよ。
また言い合いになっても困るから、思った事は心に秘めておく。
SNSのIDを交換してもう一つの開けられてない段ボールが気になった。
開けてある方のは服や日用品を入れているみたいだった。
片付けるのが面倒なら、俺も手伝うよ。
「河原、もう一つの段ボールって…」
「あ?…あー、仕事の道具とか入ってるから勝手に開けるなよ」
俺が気になっているのに気付いたのか、先に言われてしまった。
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