第一話

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河原が言った事だが、俺もかなり恥ずかしさでダメージがデカかった。 もう二度とやれとか言わないようにとびっきり甘えてみた。 河原は当然固まっていた……そんなに気持ち悪かったか? さすがにちょっとやりすぎたかな。 笑い話くらいにはなるかと思っていたんだけど… 密着する胸から早くなる鼓動が伝わった。 河原どうした? 少し暖かい季節だが、まだリビングで寝ていられるほどではない。 風邪を引いても仕方ない。 河原の額に触れて熱を確かめようとしたが、河原は目を逸らして俺から離れる。 その手つきが何だか優しいような気がした。 「お前がそこまで言うなら仕方ねぇなぁ…」 棒読みの河原はテーブルに置いていたスマホを取り、操作する。 ちょっと耳が赤いな…もしかしてあんな事言ってて実は甘えられるのに慣れてないのか。 河原の意外な弱点を知りニヤニヤと笑う。 それに気付いた河原は不機嫌な顔をしていた。 別に俺が可愛く見えたわけではない事くらい分かってるから、そんな怒るなよ。 また言い合いになっても困るから、思った事は心に秘めておく。 SNSのIDを交換してもう一つの開けられてない段ボールが気になった。 開けてある方のは服や日用品を入れているみたいだった。 片付けるのが面倒なら、俺も手伝うよ。 「河原、もう一つの段ボールって…」 「あ?…あー、仕事の道具とか入ってるから勝手に開けるなよ」 俺が気になっているのに気付いたのか、先に言われてしまった。
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