第一話

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河原が恐ろしい事を言い、本当にやりそうな目をしていたから素直に頷いた。 河原は大浴場になにか嫌な思い出でもあるのか?まぁ、あんな綺麗な顔してれば変質者とか寄ってきそうだな。 顔が良いって大変だな、と他人事のように思っていた。 でも、俺は関係ないと思うけど…よく分からない。 談話室や、図書室、洗濯物を洗うランドリー室と説明を続けた。 さてと、そろそろ食堂に行くか。 腹も空いたし、食堂の説明はやりながらの方がいい。 自炊する奴もいるが、だいたい面倒で食堂を利用する者が多い。 そしてこの時間は夕飯時のピークを外れているから空いている。 河原を食堂に案内する。 食堂は食券を自販機で買いカウンターに食券を持っていくとその食券の料理が出てくる。 河原は食券の自販機を初めて見たような顔をして目を丸くしながら見つめていた。 最近あまり見かけないけど蕎麦屋とか牛丼屋とかまだ食券の自販機が置いてるところがあると思うけど… あー、そういえばここ金持ちばっかりの学校だったな。 だいたいレストランだもんな、食券なんて知らないか。 一般人もそれなりにいるが、やっぱり金持ちの方が数的には多い。 河原にやり方を教えて自分の食券を買う。 今日はカツ丼の気分! 食べ物は高いものもあれば見慣れた普通の料理もある。 高いものは別に魅力は感じないし、何より自分で食うものだ…金がもったいない。
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