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「次は河原だ、そんな緊張するなよ」
「……」
河原は何故かカチコチに固まりながら金を入れてボタンを押す。
なんかこんな反応をされると、新鮮な気持ちになるな。
普通に食券が出てくるだけだけど、河原はそれを見ながら目をキラキラさせていた。
そのくらいで…とは思うが金持ちにとっては普段はお手伝いさんとかいるんだろうし、自分でこういう手間をするのは嬉しいのかもな。
……それにしても感動しすぎだろう。
食券の紙をジッと眺めていて、使い方が分からないみたいだった。
自販機の前にずっと立つと後がつっかえるから河原を引っ張りカウンターに向かう。
河原は蕎麦を頼み、待っている間もカウンターの奥の厨房を眺めていた。
完成された料理が出て来て、また感動。
コイツ、もしかして山の中に住んでたんじゃないかと思ったりしつつ空いてるテーブルに着く。
「いただきます!」
「…いただきます」
うん、やっぱりカツ丼はいいな…美味しい!
作るのは簡単だけど、素材と焼き加減だけで味は天と地の差に変わる。
さすがプロの料理人を雇っているだけあるなぁ。
食事を進めて、そういえば河原に聞きたい事があったんだと思い出した。
河原はなんでそんな格好をしているんだとか…言いたくないなら無理には聞かないが、気になった。
芸能人だからという理由が一番かもしれないが、俺達が知っているほどの有名人?
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