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紫乃は始と話し合うために部屋の鍵を俺から貸して始がいる俺達の部屋に向かった。
終わったら連絡くれるらしくて、それまでそこら辺をうろうろしようかなと考える。
あの時は面と向かって言うのが恥ずかしくて付き合うの保留にしてしまった。
でも、俺の想いはとっくにもう固まっているんだ。
紫乃には偉そうな事言ったけど、口で伝えないと何も伝わらないよな。
俺も紫乃達の関係を見て学ぶ事があるなと考えていたら隣でガサゴソ聞こえて驚いて隣を見た。
いつの間に帰っていたのか飛鳥が俺の隣に立っていた。
「い、いつからいたんだ?」
「…俺、マニアックな趣味はないけど…好きにしてとか言われたら頑張らなきゃな」
「言ってない!」
受け入れる話聞いてたのか、いつからいたんだ?
飛鳥のニヤニヤした顔が腹立つ、マニアックな趣味は俺だってない!
「さっきは飛鳥の言葉を否定して悪かった、無理して受け入れようとしてると思ってた」と言うと、飛鳥は怒る事なく「分かればいいんだよ」と言っていた。
俺の隣に飛鳥が座り、真っ白の何の変哲もない天井を眺める。
俺はお茶を飲み干し空のペットボトルをゴミ箱に捨てた。
大きく背伸びをする、飛鳥はそんな俺をジッと見ていた。
飛鳥はどう思ってるんだろう、俺のためならどこまでしてくれる?
「なぁ飛鳥、もし俺が抱きたいって言ったらどうする?」
「却下」
「即答かよ、俺のためにしてくれないのか?」
「もし童貞で死ぬ病気だったら抱かれてもいい、俺はお前がいざピンチになったら手を差し伸ばせられる存在になりたい…そんな時腰痛めてたら意味ねぇだろ」
単純に突っ込まれたくないって理由なのかと思ってた。
飛鳥は飛鳥なりに考えていたようだ、例えがよく分からないけど…
そんな状態には滅多にならないだろうが、飛鳥は真剣な顔をしていて口を閉じた。
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