私は、わかる

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私は、自分のパンツが見られているのがわかる。 はい、これで今日3人目。 別にわざと見せている訳では無いが、見せない様にしている訳では無い。 つまりお互い様なのだ、それはわかっている。 そんな事を考えながらいつも自転車を飛ばしている。 「おはよー!朱莉、さっき2組の高橋がパンツ見てたよー」 「見せときゃいいのよ。」 「ちょっとは気を付けたら?」 「私のチャーミングポイントを隠すっての?それは無いわ。」 チャーミングポイントと表現したのは、右の絶対領域の間に出来た三角形の痣だ。 生まれた頃には点だったが、共に育ち綺麗な三角形となった。 見せパンの話に戻るが、何故見る側の防御策を取らないといけないのだ。 私の女子高生生活は誰にも邪魔されない。私の好きに過ごすのだ。 高校卒業したら、もう履く事は出来ないのだから。 ここまでで15人。 授業の関係で階段を登り降りする頻度がいつもより多かったせいか、結構多かった。 「朱莉ー帰ろ!」 そう言いながら朝私に忠告をしてきた翼はジャージを履いて、こちらに手を振っていた。 「翼、ジャージはナシじゃない?」 そう笑いかけて一緒に校舎を後にした。 翼と別れると踵を返して都内の街中に繰り出した。 いつも通る道を進み、見慣れた漫画喫茶に入り3時間パックの料金を払って112番と書かれた部屋に閉じこもった。 登校までに3人、校舎内で12人、漫画喫茶に来るまで10人か。 高校二年生からこの記録を付け始めて良い感じに右肩上がりだ。 働いている母親が家に帰るまでにはいつも時間を持て余す。 部活には何も入らずに漫画喫茶に入るかバイトをするかのどちらかだ。 今日は漫画喫茶の日。 漫画の世界に引き込まれると時間が経つのは早い。 母親は仕事が立て込んでいるらしく、連絡によると家に帰っても食事が出て来るまで一時間半は空いている。 漫画喫茶を出たところで、声をかけられた。 「君、芸能事務所に興味無い?」
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