雨模様の彼女。

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 一目で気に入って買い、それから常に身に着けているものだ。  勿論メモ帳と一緒に。 「はい、これでいい?」 「見た目によらず可愛いもん持ってるな」 「文句を言うなら貸さないけど」 「いいや、貸して。明日返すから」 「わかった」  囲ってる女子を少し睨めつけてから教室を出る。  私は無意識に、何だか物足りなくなった制服のポケットをなでていた。 「そのボールペン、どうしたの?明らかに女子のやつだよね?」 「俺が借りた」 「なんでわざわざ?お前さっきまでボールペン使ってたじゃん」 「お前、友達は大切にしろよ」 「お前は今の会話を大切にしてくれよ。意味わかんない」
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