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それから、私と悠生は何となく、お互いの物を貸し借りするようになっていた。
ボールペンから始まり、英和辞典まで。
なぜこんなことをするのかはお互いにわかってはいなかった。
だけど、クラスを行き来し、物を返して、くだらないことを喋って、また何かを借りる。
ただそれだけの関係。どちらかが辞めれば終わってしまうような、脆くて儚い絆がとても居心地よかった。
だから、この関係を壊すような出来事は望んでいなかった。
内心は望んでいたのかもしれない。
だけど、今だけが楽しいこの時間が、何よりも大切だったんだ―――
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