10人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ
「あなたはどうしてここに?」
「悠生」
「はぁ?」
「なんか気持ちわりぃから悠生って呼んで」
見た目に反してカワイイ性格をしているらしい。
……とてもめんどくさい。
「……話が進まないんだけど。まぁいいか。わかった」
「ん」
「悠生はなんであんなところにいたの?」
「?」
仕切り直してもう一度。
「何って見りゃ分かるでしょ。泳いでた」
「雨の中?」
「どーせ濡れるんだから関係ない」
「危ないでしょ!」
「んー…」
考えるような素振りをみせる。
ここ、考えるようなとこじゃないから。
「……いや、酷くなってきたからそろそろあがろうと思ってたとこ」
嘘つけ!
キリッとした表情をつくって、その無駄にいい顔で誤魔化そうとしない!
あの様子だと、私が来なかったらいつまでたってもやっていたに違いない。
「……それよりさ、いつまでその格好でいるわけ?」
「こっちのセリフなんですけど?」
「だってそれ、いいの?」
悠生が私の体を指差して言う。
その先には、濡れて透けた制服……微妙に下着が見えていた。
恥ずかしいのもあるが、何より……
「俺の体操服、貸そうか?あ、大丈夫。洗濯してまだ着てないやつだから」
最初のコメントを投稿しよう!