雨の日の泣き方

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「慰めてほしい人じゃない人に慰められて、君は満足なの?」 ――――息が止まった。お姉さんの瞳に捕らえられる。手が、唇が震える。背中がひんやりとした。 「へっくしゅん!」 ……いや、ガチで身体冷えてきた。寒い。すると、お姉さんが俺の腕を引く。 「とりあえず、こっち」 「え?」 お姉さんは近くのビルに俺を連れ込んだ。でもそれはただのビルじゃない、ラブホテルだ。俺もよくお世話になってるホテル。――え?俺が連れ込まれた?混乱してると、お姉さんは部屋番号を書いたパネルからじゃなく、直接フロントに声をかけて、鍵を貰って戻ってくる。 「1時間くらいならいいって。行こう」 「は?」 俺は眉を寄せる。1時間で済ますの?いや無理。全身ずぶ濡れなのに。ってかそんな料金設定ないだろ。お姉さんは俺の考えなんてお構いなしに、エレベーターに乗る。 「ちょっ……!」 慌てて俺も乗り込む。目的の階に着きドアが開くと、お姉さんは迷うことなく歩いていった。借りた部屋のドアを開け、俺を促す。 「どうぞ」 ――なんだこれ?俺は思わず首を傾げる。でも、断る理由もないし。 「お姉さん。俺、風呂入りたい」 「当たり前でしょ。そのために連れてきたのに」 俺はまた首を傾げる。
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