1人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
【悪戯が聴こえる】
アマーリエに出会ったのはかれこれ10年ほど前で僕は今では立派な靴職人となった。
時が何年経とうとも海を見ると思い出す。
こうして1人で海を見つめて、夢幻の出会いを思い出す。
波音に混ざり「アドルフ!」そう呼んでほしい。
今日も日が暮れる
静かで規則的な波音と共にアマーリエに気持ちをとばす
僕は一目で君に惹かれたよ
もしアマーリエが人間だったら、簡単に会うことも抱きしめることも出来るのに
でも人魚の君だからこそ出会えたのかも知れない
あれは夢幻の出会いなのだから・・・
―アドルフ、私もあなたに会えてよかった
「アマーリエ・・・?」
名前を呼ばれた気がしたが周りには誰もいない
これはそう、波音の悪戯だ・・・
最初のコメントを投稿しよう!