【悪戯が聴こえる】

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【悪戯が聴こえる】

アマーリエに出会ったのはかれこれ10年ほど前で僕は今では立派な靴職人となった。 時が何年経とうとも海を見ると思い出す。 こうして1人で海を見つめて、夢幻の出会いを思い出す。 波音に混ざり「アドルフ!」そう呼んでほしい。 今日も日が暮れる 静かで規則的な波音と共にアマーリエに気持ちをとばす 僕は一目で君に惹かれたよ もしアマーリエが人間だったら、簡単に会うことも抱きしめることも出来るのに でも人魚の君だからこそ出会えたのかも知れない あれは夢幻の出会いなのだから・・・ ―アドルフ、私もあなたに会えてよかった 「アマーリエ・・・?」 名前を呼ばれた気がしたが周りには誰もいない これはそう、波音の悪戯だ・・・
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