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しかし、男が男を犯すって言うのはどうなんだ。全く想像つかない。ケツの穴なんてチンポ突っ込むとこだとは思えねぇし。ウ○コまみれじゃねぇか。
突っ込まれてイイもんかね。
金を稼ぐのにイイ必要なんてないのか。
風呂に沈んだ女も大半が早く完済して足抜けしたいと思ってるからな。快楽と自尊心天秤に掛けること自体が間違ってんだ。
「ナカジョーさーん」
拳の背でノックを3回。初回割引で音声は控えめだ。
メーターは回っている。連帯保証人だから、まさか自分が信用した相手が逃げたなんて思っちゃいないんだろ。玄関先に植わっている見覚えのある葉っぱも元気そうだ。
「ナカジョーさ、」
「はーい!」
「ごっ」
警戒心なさすぎだろ。
扉勢いよく開けすぎだろ。
中身が空洞の板がデコにぶつかって変な声だしちまったじゃねぇか。
「てめ、」
頭に登りかけた血液をぐっと耐える。
冷静に。年相応の落ち着きで。
大丈夫、営業スマイルを張り付けておけば問題ない。
「手前ぇ!扉の開け方考えろやガキぃ」
遅れた嶋瀬の恫喝が響く。不馴れすぎて「手前ぇ↓扉↑の↓開け方↑考えろや↑ガキぃ↑」と声が上ずったり下がったり上ずったり上ずったりで妙な発音だ。
しかも、中卒即入社の嶋瀬の方が明らかにガキ。
「あ、すみません」
にょっきり生えた長身がハの字眉が申し訳無さそうに呟いた。
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