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久しぶりだった。
たかだか、近所の安い寿司屋。
それでも家族でこの前寿司屋に行ったのはいつだろうというくらい、久しぶりの寿司屋。
それもこれも亭主が何度目かの失業中だからだ。
「もうあとは無いよ。この歳で。」
毎回職が決まるたびにそういう。でもそれが最後の仕事になった例がない。でも今回の失業はリストラだったから本人もショックだったと思う。
「そんなに休んで大丈夫なの?有休もう無いでしょ?」
「大丈夫だよ。」
それから数日後、もう仕事に行かなくていいんだと打ち明けられた。
「どういうことよ!またあの日々とかもう耐えられない!」
「ごめんな…」
それ以上何も言えなかった。
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