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 初めて口を開いた孝明の後頭部を、軽く手のひらで打ち据えてから長親が退室する。その仕草が幼子を愛しみを込めて叱る親のようで、顔を上げた孝明はそっと打たれた頭に手を添えて、口の端をうっすらと持ち上げた。
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