第二章

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第二章

 「何で皆こんなに扱いが悪いねん!」ホリカワ隊員は大層ご立腹である。それはそうだろう、ポッピー君を運用開始して10日余り。この間、パーツの交換は数知れず、前回なんぞは、遂にバラバラになって戻って来る始末である。と言う訳で今回、我がタカギ班に出動要請が下ると同時に、ホリカワ隊員による現地同行調査が重なる事となった。  正直、俺には運用が荒くなる事について心当たりがあるのだが、それをさて措いても、ポッピー君の受難ぶりは確かに頻度としては異常である。いくら見た目が可愛くない(言っちゃった)からと言っても、そこまで邪険に扱うほど我々も、鬼でも無ければ悪魔でも無い。  何より前回、バラバラの痛ましい姿で帰還した際に、メモリーバンクに僅かに残されていたデータに写っていた何かの生き物らしき影は大いに気になるところである。そう言う意味ではポッピー君は立派に隊員の人命保護の役に立っているのだ。     
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