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恥ずかしくなったので、 紛らそうとして逆に聞いてみた。 「レンは?どんな意味がある名前なの?」 「え?」 彼が突然、 明らかに不機嫌そうな顔になった。 「そんなの聞いても仕方ないよ。 馬鹿馬鹿しいし」 ぷいと目を背けるが、 そう言われると気になってしまう。 「知りたい、 教えて」 少し甘えるように彼を見上げると、 仕方なさそうに重い口を開いた。 「親父がつけたんだって。 その日の天気で」 「どういうこと?」 「…雨だったから」 すぐにはピンと来なかったが少し考えてわかった。 「rainで、 漣ていうこと?」 「そう。 由来も適当だけど漢字も母親が適当につけた」 「へえー」 そんな事とは思ってもいなかった。 その名前は彼にとても似合っていたから。
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