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「何、
考えてる?」
彼がポンポンと軽く頭を叩いた。
「ボーッとして。
具合でも悪いのか心配するだろ」
彼との記憶を頭の中で反芻していたのを知られるのは恥ずかしくて言えない。
「ううん…大丈夫」
「あれから、
雨になるといつもサラを思い出すんだ」
彼も思い出してくれていた。
背中から回された手にぎゅっと抱きしめられる。
「あの日の事、
きっと一生忘れない」
「…私も」
見つめあうと、
額に温かい彼の唇が触れた。
「あの時より、
今の方がずっとサラを大事に思ってる。
好きな気持ちがどんどん大きくなってるんだ」
「レン」
「サラがいないと生きていけないって言ったら、
女々しいって思われるかな?」
「ううん、
嬉しい」
「一日でも早く、
二人で一緒に暮らしたい」
彼がそっと唇を重ねてきた。
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