3/3
前へ
/15ページ
次へ
私を初めて見た時、 お母さんは何を思っただろう。 何を思って私を抱いて、 名前を呼んでくれたのだろうか。 「サラは、 今の名前気に入ってる?」 「うーん、 どうかな」 自分の名前が好きな人ってあまり見たことがない。 「俺は好きだよ」 「本当?」 「でも、 桜って名前だったとしてもやっぱり好きって言うと思うけど」 「なんだ」 「どんな名前でも、 サラのお母さんがつけてくれた大切な名前だよ。 俺、 いつもお母さんに感謝してる。 サラをこの世に産んでくれてありがとうございますって」 彼の言葉で涙が出そうになった。 「それにどんな名前をつけられても、 綺麗で優しくて可愛い女の子になったに違いないだろ」 耳まで熱くなって、 自分が真っ赤になるのがわかった。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加