十三幕

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十三幕

 年寄りは鬼に連れられ、他の妖たちの元へ行った。どれも人ならざる異形の者達だったが、鬼の言った通りその全ての者が年寄りを歓迎した。  年寄りは生まれたより名がなかった。故に妖達は、年寄りに名を付けた。瓢箪のような頭から付けられた名。これまでであれば拒んでいたことだろう。だが今の年寄りにとって、それは忌み嫌うべきものではなかった。  昔々の話である。かつて妖と呼ばれた子は人として生きる為、人であることをやめた。そしてその出来事は自分の居場所を、仲間を生み出した。偽りでない、本当の自分を受け入れてくれる仲間を。  その多くの妖に囲まれ楽しげにしている姿を見た先人がいるという。年寄りは先人達の手によって、その名を後世に語り継がれることになった。妖「ぬらりひょん」と。
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