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海水浴に行った日、彼女は白いワンピースを着てきた。私服は何度か見ているはずなのに、妙に眩しく見えた。可愛い、と思った。 けれど海水浴を終えて着替えた後に、自分が夕方の海を見たいと言い砂浜に降りた。単に綺麗な景色を彼女と見たいと思っただけだったけれど、彼女のワンピースが少し汚れてしまった。 そこまで考えが及ばなかった自分に腹が立った。こんなことで許されるとは思わなかったけれど、せめてものお詫びに彼女が何度か手にとっていたブレスレットをプレゼントした。 彼女はとても喜んで、デートの時にいつも着けてきた。彼女の手首からそれが消えたのは、大学生になってからだ。 そしてその理由を、なんとなく分かっていた。
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