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「…高校の時、海水浴に行ったの覚えてる」 口火を切ったのは彼の方だった。私は視線を海から彼に戻す。 「覚えてるに決まってるよ!私張り切りすぎて白いワンピース着ていっちゃったんだもん」 「…あのワンピース、最初見たときすごい似合ってると思った」 思わぬ言葉に私は目を見開いてしまう。頬がほんのり熱を持つ。 「でも俺のせいで少し汚れちゃって」 「あれ?そうだっけ?」 「そうだよ」 そこで彼がコーヒーを飲む。喉仏が上下し、私はそれをぼんやり見つめた。 「だから悪いと思ってブレスレットを買ったんだよ」 ブレスレット。 青いビーズでできていて、光を反射するとまるで海の水面のように輝く。 私の宝物だった。
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