ふたかけらめ

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ベッドの端で腕をおいて眠り込んでいたわたしを目覚めさせたのは、右肩を揺する振動でした。 頭をあげて、目をこすりながらそちらに視線を向けると、昨日は苦しそうにしていたその子が困惑した表情でわたしを見つめていました。 「ここは、どこだ?」 その声が目の前の人物のものだと分かるのに少し時間を要しましたが、素直に、質問に応えます。 「ここはセンターです」 「センターって、ここが?」 「はい」 目の前の子は瞠目させて、それから何か考え込んでいるようですですが、気にせず今度はわたしから質問します。 「具合は良くなりましたか?」 わたしの言葉に、その子はハッとした様子でこちらを見つめ、強張った顔を少しだけ崩しました。 「…君が看病してくれたんだよね、ありがとう。もう具合は良くなった」 返ってきた言葉に安堵します。 「それなら良かったです」 「君、…名前はなんて言うの?」 「18番です」 「…えっと、もう一度教えてくれる?」 「はい、18番です」 もう一度、自分の名前を伝えると、目の前の子はまた顔を強張らせます。それから、何か怒ったような表情になりました。 「…まさか、本当に…」と呟いていますが、わたしにはさっぱり分かりません。 わたしの首を傾げた姿に「何でもないよ」と左右に顔を振りました。 「僕の名前は、ユウ。ユウって呼んでくれる?」 「ユウ?」 「そう、ユウだよ。 …君はいつからここにいるの?」
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