18.両神相い搏ち、合して形と成る 『霊枢』決気篇より(R)

4/20
前へ
/309ページ
次へ
答えに困っていると、ユキさんが問いかけてくる。 「男なら、“YES” か “はい” か、で答え下さい!」 (“YES” か“ はい” ね…) 俺は違和感に気づいた。 「え?」 「決まりました? 」 「……それ、断れんやん!」 真面目にそう答えると、ユキさんは歯を見せてクククっと、笑い出した。 「ほんと、大好き…」 笑いながら、そう呟くと俺の肩に 額を乗せた。 (もう、無言だったり、笑い出したり…情緒不安定にも程があるやろ…) 呆れながら、深いため息をつく。 「……もう、あげますよ、貴方に。」 その言葉に彼の身体がブルッと震えた。 そして俺から少し身体を離し、真剣な顔で俺を見つめると、 「 ごめん 」と「 ありがとう 」を、小さく呟いたのだった。
/309ページ

最初のコメントを投稿しよう!

784人が本棚に入れています
本棚に追加