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学園祭については担任の俺が、色々役割を決めることもなく、
自分達(特に年上の方々)で、主体的に考えて、買い物を行く係、看板を作る係、焼きそばを作る係…etc 決めてくてた。
自分たちで行動してくれるから助かっていたが、やはり当日に何か足りなかったものは出て来る訳で。
夜間2年生の様子を見つつ、教員は教員で来てくれる外部のお客さんに体験ブースで対応をしなければならない。
鍼灸科が行う体験ブースは症状を聞いて、その人にあったツボにシールの鍼(円皮鍼)を貼ると言うものだ。
現在9時。
学園祭開始は10時から。
「東先生のところは何をするんですか?」
東先生は3年生夜間の担任だ。
「俺んとこは、冷やしパイン!楽だよー冷凍庫から出すだけだから!」
「うゎー考えましたねー!」
東先生とは同い年という事で気軽に話せる関係になっていた。
大概困った時は東先生に聞いている。
「じゃあ俺、3年生のところに行ってくるわ!」
「俺も2年のところ行ってみます!」
我がクラスは、ガスを使う為、学校の外の広場で頑張っている。
みんなが頑張っている姿を見ると自分も、何かしなければと言う気になる。
走って行くと、「安斎先生ー!」と温かく迎えてくれる。
いや、みんな熱くて鉄板の前で汗だくと言ってもいい。
「みんな、水分、塩分取って、熱中症にならないように!」
「「 はーい!! 」」
「特に、桜井さん!倒れないで下さいよ!」
桜井さんは、60歳還暦、お孫さんもいる学生だ。禿げ上がっているが、みんなをまとめる頼れる人である。
「はいっ!!」
桜井さんはピンと伸ばした手を額にあて、敬礼をした。
それに俺も敬礼で返した。
そんな光景にみんな笑っていた。
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