11.ライバルを出し抜くには経穴のパワーを手に入れろ!

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学園祭については担任の俺が、色々役割を決めることもなく、 自分達(特に年上の方々)で、主体的に考えて、買い物を行く係、看板を作る係、焼きそばを作る係…etc 決めてくてた。 自分たちで行動してくれるから助かっていたが、やはり当日に何か足りなかったものは出て来る訳で。 夜間2年生の様子を見つつ、教員は教員で来てくれる外部のお客さんに体験ブースで対応をしなければならない。 鍼灸科が行う体験ブースは症状を聞いて、その人にあったツボにシールの鍼(円皮鍼(エンピシン))を貼ると言うものだ。 現在9時。 学園祭開始は10時から。 「東先生のところは何をするんですか?」 東先生は3年生夜間の担任だ。 「俺んとこは、冷やしパイン!楽だよー冷凍庫から出すだけだから!」 「うゎー考えましたねー!」 東先生とは同い年という事で気軽に話せる関係になっていた。 大概困った時は東先生に聞いている。 「じゃあ俺、3年生のところに行ってくるわ!」 「俺も2年のところ行ってみます!」 我がクラスは、ガスを使う為、学校の外の広場で頑張っている。 みんなが頑張っている姿を見ると自分も、何かしなければと言う気になる。 走って行くと、「安斎先生ー!」と温かく迎えてくれる。 いや、みんな熱くて鉄板の前で汗だくと言ってもいい。 「みんな、水分、塩分取って、熱中症にならないように!」 「「 はーい!! 」」 「特に、桜井さん!倒れないで下さいよ!」 桜井さんは、60歳還暦、お孫さんもいる学生だ。禿げ上がっているが、みんなをまとめる頼れる人である。 「はいっ!!」 桜井さんはピンと伸ばした手を額にあて、敬礼をした。 それに俺も敬礼で返した。 そんな光景にみんな笑っていた。
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