18.両神相い搏ち、合して形と成る 『霊枢』決気篇より(R)

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(最近は東京(ちゅうおう)からの来客が多いな)と思いながら、腰を抜かした東先生を 宮崎ガール原田先生に預けて、俺は久しぶりに再会した恭介さんと、ランチをすることとなった。 食事に行ったところは、学校から徒歩10分弱の雑居ビルの5階、学生が来なそうな昼もやっているバール店にした。 店員は恭介さんを見ると、すぐさま奥に案内した。 「恭介さん、来たことあるの?」 「 いや、全く… 」 相変わらず、この人のオーラは桁違いだと思う。 席に座ると恭介さんはサングラスを取った。 「 土産だ 」 そして布で包まれた桐箱を俺に渡す。 「何、これ?」 「 メロンだ 」 「あ、ありがとう…」 こんな高級メロンを息子にお土産で渡すなんて、千尋父さんに教えたら、きっと恭介さん怒られるんだろうな、と思いながら、俺は有難く頂いた。 (アキと食べよう) 店員におすすめランチ聞いて、それを2つ頼んた。 黒いスーツを着ているのに汗ひとつかいていない、(本当にこの人、人間か?)と久しぶりに会って思える。 「恭介さんってさ、汗腺あるの?」 すると、恭介さんの眉が少しピクッとなった。 「 お前も私のことをサイボーグとでも思ってないだろうな 」 「え、なんで?誰かから言われた?」 「 あぁ、あの狐男だ 」 「あー!森さんね!」 そう言いながら、ここに森さんがいたら俺 殴られてるんだろうなと思った。 「 まぁ、ひなたから話は聞いていたが、元気そうだな 」 「お陰様で…」 「 彼とは上手くいっているのか? 」 「ぼちぼち…」 「 彼の記憶の方は? 」 「カラン」とコップの中の氷が音を立てた。 そのコップを俺は口に運ぶ。 「本人も記憶が、所々欠損してるのは気づいてるみたいなんだけど、戻って来てはないね。 たまに、何かを思い出したのか、泣いてる時もある。」 「 そうか… どっちが彼にとって幸せなんだろうな 」 恭介さんは小さくため息を吐くと、彼も水を口に運んだ。
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