18.両神相い搏ち、合して形と成る 『霊枢』決気篇より(R)

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ランチが運ばれて来て、やっと恭介さんは上着を脱いだ。 「恭介さん、俺と世間話するために わざわざ中央からお越し下さった訳じゃないでしょ?」 茶化した言い方をすると、恭介さんは、咳払いをした。 「 あぁ、森から お前が研究室に帰って来ないことは聞いた。 お前の今の状況を知っているから、そう答えるとは予想していたが… 」 「 その話か 」 俺は、敢えて怪訝(けげん)な空気を発した。 自分の気持ちが揺らぎそうな気がして、その話はあまり聞きたくなかった。 (だから、アキを抱いたのに、彼の側に一生離れないと決意して。) それを察しながらも、目の前の人はゆっくりと俺に語り出す。 「 そう、苛立つな お前が今の職業で、頑張っていることも、大切な存在があることも、私は全部理解している 理解しているからな、来るのを迷った 大いに迷いながら、出した答えは “お前に後悔して欲しくない” という事だった ……だから、嫌だと思うが、少しでいい、私の話に耳を傾けてくれ 」 恭介さんの言葉はいつも冷静で、熱なんて感じたことはないのに、今日は不思議に言葉の矢が 俺の心に刺さっていく様だった。 「 分かった、聞くよ… 」 俺は観念したようにこうべを垂れて耳を傾けた。 「 すまんな 」 そう言うと、恭介さんの発する空気が軽くなった気がした。
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