18.両神相い搏ち、合して形と成る 『霊枢』決気篇より(R)

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すると恭介さんは手を開き、俺に手を見せた。 「 私は考えたんだよ。通常、手の平には指が5本生えているのが普通。 これが6本、もしくは4本の場合は異端と考えられる。まさにそれは病となるだろう? 」 「……そうだね」 「 3種で、もっとも多いのは “beta” だ。 彼等は、ヒートに苦しむこともなく、香り(pheromone)によって我を忘れる事もない。 常に“普通” がそこにはある。 彼等こそ、何かが欠けることのない “完璧な人間” とは思わないか? 」 恭介さんの話を聞きながら、心臓が妙に早くなったことを感じた。 そうだ、あの時普通にアキを抱けたら、俺は悲哀を感じる事もなかった。 もしかしたら、今だって、彼は何も言わないけど、傷ついているのではないか…、そんな一抹の不安が残っている。 だから彼の言葉がすんなり理解でき、 脳に浸透した。 「次の研究は、俺たちが、“ 異常 ”だと言うことを証明する、ということ?」 「 あぁ、alpha の異常をきたしているDNAを Genomレベルで探す 」 恭介さんの瞳がキラキラと輝きを放った。
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