1.治療に興味はありませんか?

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颯爽と長髪をなびかせながらやって来たのは佐藤(ナツ)、俺の姉だ。 顔はぱっちり二重に小さい口で可愛い顔だと思うのだが、性格はサバサバして、すぐに決断、行動する姿は俺より男っぽい気がする。 今日はトレーナーにジーパンとラフな姿だ。 「うわっ! 珍し! 今日 患者()とるやん!」 姉ちゃんの方が訛りがきつい。 患者さんが来ていたことをお灸の匂いで気づいたようた。 「珍しいって…まぁ、そうなんやけど…」 姉にはいつも頭が上がらない。 6つ上ということもあり、生まれた時から彼女は俺のお手本で、世話をよくしてもらっていた。 あと容赦なく飛んでくる無茶振りに対応させられるわ、姉に下着の買い物に付き合わされるわ、風呂上がりは全裸だわで、女性に対する免疫は姉にバッチリ付けられたような気がする。 だからか、女性との会話を気負わず聞けるのは姉のお陰だと思う。 「はい、いつもの。」 姉は俺に1つのビニール袋を渡した。その中には小袋があり、錠剤の薬が入っている。 これを渡す時、彼女はいつも辛そうな、悲しそうな顔をする。 「…ありがとうね」 姉がそんな顔するから俺は微笑んでそれをもらう。 彼女が気を病むのを少しでも軽減したくて。
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