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自分から言い出しておいて、罪悪感がもたげてきて、智也は微妙に目を逸らしていた。
「え、まじ?教えてくれんの?」
……ああ。この素直な反応が……可愛い。……心が痛むけど。
「うん。なんだったら、実地で教えるよ」
「へ?実地って……?」
「うん。実地」
祥悟は不思議そうに首を傾げ
「……なんかよく分かんねぇけど……じゃ、教えてよ」
智也はごくりと唾を飲み込むと
「いいよ。じゃ、デザート食べたら移動しようか」
目は逸らしたままで微笑んだ。
「なぁ、智也。ここって……」
「うん?」
祥悟は建物を見上げ、入り口を興味深げにしげしげと見てから、智也を睨みつけた。
「……ラブホじゃん」
「そうだね、でもいかにもって感じじゃないんだ。シティホテルに近いかな。出来たばかりだから部屋も綺麗だしね」
祥悟はもう1度、ホテルの入り口に目をやり
「でも、休憩Timeって書いてある」
「そうだね。あ、そうか。泊まりがいいなら、別に休憩じゃなくても……」
「ばーか。そういうこと、言ってんじゃねーし。俺、外泊禁止だって言ったじゃん」
意外にも、妙に尻込みしている祥悟に、智也はにこっと笑って
「……もしかして、祥。こういうとこに来るの、初めてかい??」
「は?まさか。初めてじゃねーし」
祥悟はツンっとそっぽを向いた。
「そうか。じゃあ、入るよ」
智也がそう言って歩き出すと、祥悟は慌てて振り返り
「ちょっ、待てってば。そうじゃなくてさ、なんで俺が、おまえとラブホ、入んなきゃいけないんだよ」
智也はすっとぼけて、不思議そうに首を傾げた。
「え?……だって。祥は俺にいろいろ教えて欲しいんだよね? でも俺のマンションは嫌なんだろう? だったらこういうところに入るしかないよね」
智也の返事が意外だったのか、祥悟はぱちぱちと瞬きした。
その表情がすごく素直で……愛らしい。
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