第2章 波にも磯にもつかぬ恋

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「おま、え……。なに、してんの?」 掠れた声にはっとして顔をあげると、目元をうっすら染めた祥悟と目が合った。 「あ……いや。君の乳首、綺麗なピンク色だなって」 思わずバカ正直に答えてしまった。祥悟はきゅっと眉を寄せ、智也の顔と自分の胸を見比べて 「ば……っかじゃ、ねーの。そんなじっと、見んな」 「これ、美味しそうだね。舐めても……いいかい?」 「……っだからぁ……そ、んなこと、聞くなってーの」 何やら祥悟は恥じらっているみたいだ、とふと気づいた。 ……え……意外……。こんな顔、初めて見るよな。キスはノリノリだったのに、胸見られるのは……苦手ってことか?……なんだろ……可愛い。 途端にむくむくと悪戯心が沸き起こる。 「じゃあ、舐めるよ」 上目遣いに祥悟の顔を見つめながら、舌をべーっと差し出し乳首に近づける。触れる寸前で止めると、祥悟は頬に朱を散らして、きゅっと目を細めた。 つん……とつついてみると、髪を掴む祥悟の手に力がこもる。小さな尖りの先端をぺろぺろしてみた。 「……っぁ……っ」 甘い鳴き声が零れる。つぷっと突き出た乳首の先が、さっきより紅くなって、智也の唾液でてらてらと濡れていた。 ……うわ。可愛過ぎる。 形のいい眉をきゅっと顰めて、切なげに自分を見下ろす瞳に、仄かな欲情の色が滲んでいる。 ……感じてる?……乳首、気持ちいいんだ? そっと掠めるようにして、尖りとその周辺を舐めた。 ぁ……ぁ……と声にならない声を漏らし、祥悟の身体がぴくぴくと跳ねる。 「祥。これ、気持ちいい?」 「……ぁや……だ、やめ……」 「嫌じゃ、ないよね?」 祥悟はぎゅっと目を瞑ると、いやいやをするように首を振った。智也はいったん顔をあげ、肩に手を伸ばし服を脱がせ始めた。黒革のぴったりとしたシャツの下は素肌だ。まだ少年の名残を残した華奢な肩や腕が剥き出しになる。 服の上から想像していた以上に、祥悟の身体は細かった。身長も体重も、まだまだこれから成長していくのだろうが、今はまだ思春期の少年特有のアンバランスさが目立つ。 ……どんな両親だったんだろう。どちらもきっと、美形だったに違いないな。 「じろじろ、見んなよ」
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