第2章 波にも磯にもつかぬ恋

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「脱がせてあげる。おいで」 素直に近寄ってくる祥悟をふわっと抱き締めて、上とお揃いの革のパンツに手を伸ばす。 祥悟のお尻は上半身同様、かなり華奢だ。伸縮性のないぴたっとしたパンツに包まれた、小さな尻に両手を当ててみる。 ……うわ。小さいな……。 こちらも間違いなく少年の尻で、女の子のような丸みもボリューム感もない。きゅっと引き締まった形のいいお尻は、智也の両手にすっぽりとおさまるサイズだ。 ……これ、すっごくソソられる 女の子相手には感じたことのないこういう感覚。自分の性的指向は間違いなくこっちなのだと改めて自覚してしまう。 「祥はその年頃のモデルとして、本当に理想的な体型だね。無駄な肉なんか全然ないし、手足も長くて綺麗な形してる」 言いながら、どさくさでパンツ越しにさわさわとお尻を撫でると、祥悟は擽ったそうに身を捩って 「んーそういうもん?まあ、何着ても似合うって言われるけどさ………っつか、触んなって。キモい」 「気持ち悪い?お尻も立派な性感帯だよ。この辺、触られると変な気分にならない?」 引き締まった祥悟のお尻の、小さな丸みの感触を、両の手の平で少し楽しんでから、智也は指をつつーっと上に滑らせた。薄い布製越しに腰から尾てい骨付近を、繰り返し撫でていく。 「ん……っ。なんか、擽ったい……っつーか……ぞわぞわ、するって」 祥悟はもぞもぞと腰を揺らし、智也のシャツをぎゅっと掴んだ。 「ああ。擽ったい場所ってね。開発すると性感帯になるらしいよ」 「ばかっ、ちょっ、そこ、触んな。なんか……ヤバいって」 尾てい骨付近の割れ目の始まり辺りを撫でると、祥悟はもじもじしながら上擦った声をあげた。 ……ふうん。ここ、感じるのか。祥ってやっぱり猫みたいだな。 昔、実家で飼っていた猫が、こんな風に尻尾の付け根辺りを撫でると、発情して甘えた鳴き声をあげた。祥悟もそこが弱点らしく、智也の悪戯から逃れようと、必死に身を捩っている。
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