第2章 波にも磯にもつかぬ恋

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躊躇いながら、上のシャツを脱ぎ捨て、ジーンズのボタンを外した。 祥悟の可愛い反応にそそられて煽られて、実は少し……勃ってたりするのだけど……。 「脱いだぜ。先、入ってるからな」 相変わらずちょっと怒ったような祥悟の声に、はっとして振り返ると、祥悟はパンツも下着も脱ぎ捨てて、こちらに背を向け浴室の扉を開けていた。 ……うわ……っ。 見てしまった。祥悟の綺麗なお尻を。ダメだ。ちょっとくらくらする。 ぼーっと見蕩れている智也を残して、祥悟の白い肢体がドアの向こうに消えた。 ……え。本当に……浴びるのかい? 一緒に?え……いいのか? プライドをつついて、わざとムキにさせて、どさくさでお尻まで触らせて貰った。もう充分過ぎる。裸で一緒にシャワーなんか浴びたら…… 智也は、下着をゆるく押し上げている自分のものを、じっと見下ろした。 ……我慢……出来るかな。襲っちゃいそうな……気がするんだけど。 「おまえさ、何してんだよ??」 浴室の扉が開いて、祥悟がひょこっと顔だけ出した。考え込んでいた智也は、脱ぎかけていた下着を慌てて元に戻した。 「あ……いや……」 祥悟はトランクス一枚で固まってしまった智也の全身を眺めて 「先に脱がしといてモタモタしてんな。早く脱いで来いってば」 祥悟はイライラとそれだけ言うと、バタンっと扉を閉めてしまった。 ……祥……君って男前すぎるよ……。 急に怖気づいてしまった自分と違って、祥悟はやる気満々らしい。 いや、やる気と言っても、祥悟が智也に求めているものと、自分が彼に求めているものは全然違うのだけど。 ……もう、いいや。どうとでもなれっ。 祥悟が嫌がることを強要する気は毛頭ないのだ。 ……男同士で、風呂に入るってだけだ、うん、それだけだ。 智也はやけくそ気味に下着を脱ぎ捨てると、備え付けのフェイスタオルを腰に巻き付け、ゆるく反応している自分の息子を隠して、浴室の扉を開けた。
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