第2章 波にも磯にもつかぬ恋

24/42
前へ
/261ページ
次へ
「……ふ……ん……ぅ」 抱き締めて、まずは唇を塞いだ。 だいぶ慣れてきた祥悟の唇の感触は、やっぱり甘くて柔らかくて、蕩けそうに気持ちいい。 ……落ち着けよ。がっつくなって。 自分に必死に言い聞かせながら、ソープでぬめる手で、背中をさわさわと撫でる。祥悟が擽ったがって身を捩る動きにすら、煽られてしまう。 ……これ、どこまで、許されるのかな。 さっき脱衣場で乳首を舐めた時は、祥悟は嫌がってはいなかった。そんなことをした相手と裸で密室にいる時点で、肌を触るくらいは許してくれているのだろうか。 両手でソープを泡立てて、肩先から首の周辺を優しく撫でる。 我慢出来ないのか、祥吾は首を振って、ぷはーっと唇を離し 「それ、だめだって。擽ったいっつーの」 「うーん……気持ちよくないかい?」 「さわさわすんな。洗うんなら、もっと強く擦れよ」 智也は首を傾げ、いったん祥悟から離れた。泡だらけになった祥悟の身体をじっと見つめる。 白い泡が首筋を伝って、胸の方に垂れていく。泡の合間から、さっきの名残りで紅く熟れたままの乳首が、ちょこんと顔をのぞかせていた。ぷつんと膨れた小さな蕾に、白い泡が流れて垂れていく様子が……どきっとするほど艶かしい。 智也は思わず手を伸ばし、指先で泡を掬って、そっと乳首にそれを撫でつけた。 「……っあ……」 突然の不意打ちに、祥悟がびくっと震えて声をあげる。自分で自分の声にびっくりしたのか、目を見開いて呆然と智也を見上げた。 「これ、やっぱり感じるんだね」 智也は囁きながら、泡を指で塗り広げる。祥悟は目元をうっすらと染めて、きゅっと目を閉じた。 指先で優しく優しく円を描きながら、祥悟の表情の変化を確かめた。 「ん……っん……」 ちょっと悔しそうに唇を引き結び、声が出るのを堪えている。 ソープの滑りを借りて、何度も尖りの周りを撫で続けると、赤みが増して更に膨らんできた。 男の子の乳首を弄るなんて、実は今日が初めてだった。自分のだって、こんなに念入りに触ってみたことはない。 感じると、女の子みたいに乳首が色づいて勃ってくるなんて、新鮮な発見だった。
/261ページ

最初のコメントを投稿しよう!

247人が本棚に入れています
本棚に追加