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「あのさ、祥。君、本気で俺とここで朝まで過ごすの?」
智也は立ち上がると、寝そべって足をぱたぱたしている無自覚天使に、ゆっくり歩み寄った。
祥悟はむくっと頭をあげ振り返って
「は?だって泊まれるんだろ? ここ」
「それはそうだけど。ひと晩中ラブホで過ごすって、君は平気?」
祥悟はうーんと首を傾げ
「別に。ラブホっつったって、ここ、いつも泊まるホテルと変わんねーじゃん」
「でも、俺が一緒だよ?」
「だからさ。まだおまえ、肝心なとこ、教えてくれてねーし?ちょうどいいじゃん。時間、気にすることなくなってさ」
智也は内心ため息をつくと
「うーん……。でもさ、俺がもし本当にゲイなら、君、貞操の危機だよね。女の抱き方教える、なんて言いながら、君のこと、襲っちゃうかもよ?」
ゆっくりと祥悟の側に行き、屈んで顔を覗き込んだ。祥悟は形のいい細い眉をきゅっと顰め
「ゲイじゃねえって、言ったじゃん、おまえ。じゃあ、嘘ついたのかよ」
ぷーっとふくれる祥悟の横に智也は腰をおろした。
「前にも言っただろう? 俺がゲイじゃなくても、君は魅力的で無防備だから、こういうことしてるうちに、その気になっちゃうかもしれないよ」
祥悟は智也の顔をじっと見上げた。そのまましばらく黙って見つめ合う。
「うー……。んとさ、男同士ってさ、尻、使うんだよな? 俺、掘られんのは、ちょっとやだ」
智也は苦笑して
「うん。そうだよね。当然だ」
「でもさ。掘られんの以外だったら、俺、智也なら別にいいよ。もっと気持ちいいこと、いろいろ教えてくれるんならさ」
智也は目を見開いた。
……それ……って……。
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