第2章 波にも磯にもつかぬ恋

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柔らかい耳朶をはみはみして、耳の中に息を吹きかけ、甘い声で囁く。 祥悟はびくびくと震えながら、また悔しそうにうー……っと唸り 「……っだから……っ言った、じゃん。そこ、むずむず、するって」 「そこって、どこ?」 「……っち」 「……ち?」 「……っちくび、だよっ」 耳を真っ赤にしてやけくそ気味に言う祥悟が可愛すぎて、なんだか異常に興奮してきた。 「そう。祥は、乳首が気持ちいいんだね。じゃあ、もっといじってあげるよ」 摘んでいた蕾をいったん離し、下から掘り起こすようにして何度も撫であげる。祥悟はくふくふ言いながらぴくんぴくんと震えていたが、さっきぎゅーっと引っ張った時よりも反応が薄い。 ……もしかして……もっと痛い方が感じる……のかな? 何しろ、男の子の身体を愛撫するのは初めてなのだ。煽られて興奮はしても、どこをどうしてあげたら気持ちいいのかは手探り状態だった。 もう1度、蕾を指で摘んできゅっきゅと引っ張ってみる。 「あっ……んぁ……っ」 ……やっぱり。こっちの方が感じてる。 「ね。祥。ちょっと起き上がって」 智也は言いながら祥悟の身体を抱き起こした。きょとんとしている祥悟を向かい合わせに座らせて 「そのままじっとしててね。あ、俺が何してるか、ちゃんと見てること」 赤い顔をして睨んでくる祥悟ににこっと笑いかけると、 「両手、後ろで組んで、胸を突き出して?」 「……へ……なに、すんの?」 「気持ちいいこと」 祥悟は戸惑いながらも腕を後ろに回し、胸を突き出した。 シャワーを浴びる前に、鏡の前でこれをやったら、恥ずかしいのかすごく反応が良かった。祥悟はどうやら、見られてするとか言葉責めとか、羞恥心を煽られる行為に弱いらしい。 智也は祥悟の胸に顔を近づけながら、上目遣いに見上げて 「手、後ろのまま外しちゃダメだよ。……ほら、見て。君の乳首、赤くなってぷくっと飛び出てる」 言われて自分の乳首に目を落とした祥悟が、さっと頬に朱を散らした。 「……っ」 「すごいよね。女の子みたいに乳房はないけど、君の乳首、勃起してる。いやらしいな、祥」 智也は舌を出すと、祥悟に見せつけるように蕾にじわじわ近づけていった。
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