第2章 波にも磯にもつかぬ恋

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「祥……気持ちいいんだね。君のここ……」 言いながらタオルの盛り上がりを指差すと、祥悟はカッと頬に朱を散らして 「……っばか……見んなっ。し、しょうがねえじゃんっ。勝手に勃っちまうんだからさっ」 智也は宥めるように微笑んで 「うん。男の子だからね。気持ちいいと、反応しちゃうよね」 祥悟はまだ赤くなったままの頬をぷーっとふくらますと、ぴたっと股間を包むタオルを、摘みあげて膨らみを誤魔化した。 「女の場合は……こーゆー時って濡れるんだよな……?」 「……そうだね。気持ちよくなると、そうなるね」 祥悟は照れたように目を逸らして、でも必死に平静を装うと 「そしたらそっちも、弄ってやれば……いいんだよね?」 少年らしい好奇心と羞恥心がないまぜになっている祥悟は、ものすごく可愛くて……そしてすごく残酷だ。 そんなことを聞かれたら、祥悟が相手にどんなことをするのか、リアルに想像してしまって……やるせなくなる。 「うん。まあ、さすがにそこまでは実地では教えられないから、傷つけないように気をつけて、優しく愛撫してあげればいいと思うよ」 智也は胸の奥のモヤモヤを誤魔化すように、早口にそう言って 「さ。そろそろ服を着る?いつまでもそんな格好してると、風邪をひくだろ」 言いながら祥悟から離れて、ベッドから降りようとすると、すかさず手を掴まれた。 「は? もう終わりかよ?」 「……え……だって……」 「胸以外んとこも舐めたりするんだよね? 智也がさ、女鳴かす時どうやんのか、ちゃんと教えてよ」 「…………」 ……いやいや。祥悟くん。それはちょっと、もう……さすがに 「あ。そっか。俺が智也の、舐めたらいいんだよな? その方が練習になるじゃん」 ……!?!?!? 智也は息を飲んで、祥悟の顔を見下ろした。 ……ちょっと……この子、何言って……?舐めるって……舐めるって、俺の……どこを? 祥悟の紅い薄い唇に目が吸い寄せられた。
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