第2章 波にも磯にもつかぬ恋

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智也ははぁっとため息をつくと 「我がままだね、君は。……いいよ。じゃあ見せてあげる」 智也は祥悟の手を離して起き上がると 「ほら。君とおんなじだよ」 スラックスの前を押し上げている、自分の股間を指差した。 祥悟はむくっと身を起こし、智也の下腹をじ……っと見つめて 「ふーん……やっぱ、勃ってんじゃん」 言いながら手を伸ばしてくる。智也はその手をパシっと掴んで押し止め 「こら。触るのはだめ。我慢出来なくなったらどうするの?」 本当は、祥悟に自分の興奮の証を服の上から見られるだけでも、内心激しく動揺している。ポーカーフェイスを保つのが、苦しいくらいに。 祥悟は、智也の手を捻るようにして振りほどくと 「智也の、デカそうだよね。ちょっとだけ……触らせてよ。服の上からでいいからさ」 ……いや、だから、君って好奇心旺盛過ぎるからっ 「だ……ダメだよ。あっ、こらっ」 智也がもう1度、手を掴んで制しようとするより先に、祥悟の手が下腹に触れた。 ……っっっ。 祥悟は獲物を見つけた猫のような目で、股間を見つめながら、細い指を膨らみに押し当てた。 「うっわ……やべぇ……おまえの、デカすぎ」 感心したように呟いて、無邪気に服の上からさわさわと撫でる。智也はビクッと震えて、祥悟の手首を掴み締めた。 ……触る、とか、なしだからっ
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