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第3章.甘美な墓穴のその先に
「……っ。……っ。っ……ぅ」
いったいどうして、こんなことになっているんだろう。
スラックスの前を開けられて、無防備に晒された自分のものに、祥悟の白く細い指が絡みついている。
智也の半分開き直りの挑発に、祥悟があっさりとノッてきた。そればかりか、えらく楽しげに、服の上から股間をぎゅっと握り込まれて、智也の頭は真っ白になった。
ダメだ、止めろと言う余裕もなく、慣れた手つきで竿をさすられて、自分のものが悦びにぐんぐん育つ。
……ちょっと、ダメだって、ああ、そんなに触ったら……理性が……持たないから。
必死に止めさせようと伸ばした手を、うるさそうに跳ね除けられた。止める間もなく祥悟の手が、スラックスのボタンを外しジッパーを引き下ろす。
「っ祥っ。ダメだって」
上擦った声をあげて、祥悟の手を払い除けるより先に、スラックスから下着ごと飛び出した猛りを、祥悟の細い指が掴む。
「もう、こんなんなってんじゃん。すっげー熱い」
祥悟は楽しげに呟くと、あっさりと隙間から下着の中に手を入れてきた。その手が直接、自分のものに触れた。智也は思わずびくっとして、呻きそうになる口を必死に食いしばった。
……まずい。まずい。まずい。
細いしなやかな指が、そこに絡みつく。
緊急事態だ。
こんなのは想定外過ぎる。
驚きと甘美な痺れに、頭の中が真っ白になった。
「智也、これさ、気持ちいい??」
祥悟は指で輪っかを作ってゆるゆると扱きながら、可愛らしく小首を傾げている。
目が合ってどきっとして、智也は慌てて目を逸らした。
……ダメだって。そんな、顔しちゃ。
祥悟のくれる肉体的な刺激だけが問題じゃない。この憧れの綺麗な生き物が、自分のものに触れてくれているという歓びと、ほの暗い後ろめたさ。
それが異常なくらい、興奮を煽る。
「……っ祥、も、手離そう?」
「は?なんでだよ。智也、まだイってねえじゃん」
「イかなくて、いいんだよ。君に、そんな、……こと、させられない、だろ……っ」
荒い息の中、必死に言い募る智也に、祥悟は目をキラキラさせて
「気持ちいいんだ?おまえ、余裕ねえ顔してんじゃん」
……だからっ。どうしてそんな、嬉しそうな顔。
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