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祥悟はくすくす笑うと
「おまえの興奮した顔さ、発情した雄って感じでさ、すげえエロかった。目とかちょっとやばいくらい色気あってさ」
「え、あの……祥?」
「智也のさ、ああいう男くさい必死な顔、俺、嫌いじゃないかも?押さえつけられてちょっとビビったけどさ、うっかり可愛いとか、思っちゃったしさ」
……うそ……怒ってない……のか?
目の前の祥悟は、どう見てもご機嫌だ。さっきの涙目が夢だったみたいに……。
智也はがばっと祥悟の肩を掴むと
「ね。祥。無理、してないかい? 君」
「へ?」
「男の俺なんかにあんなことされて、すごいショックだったろう? いいんだ。そんな無理して笑ったりしなくていいよ。もっと怒っていいんだ。君の信頼を裏切った酷いやつだ。なんなら思いっきり、殴ってくれてもいい」
「は?……いや」
智也は、はぁ~っと深いため息を吐き出すと
「まだ若い君に、俺はとんでもない心の傷を負わせてしまったかもしれない。本当にどうしたらいいか……」
「なあ、智也?」
祥悟はこちらの言葉を遮ると、まじまじと顔を覗き込んできて
「おまえ、テンパリすぎ。俺は別に傷ついてねーし。ちょっとびっくりはしたけどさ、すっげ気持ちよかった」
……え。気持ち……よかった?
「口でされたの、初めてだけどさ、やばかった。おまえの方こそ嫌じゃなかったのかよ?」
「祥……」
智也は無邪気に笑う祥悟の目を、別の意味で見ていられなくなって、そっと包むようにして華奢な身体を抱き締めた。
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