第1章 舞い降りた君

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第1章 舞い降りた君

「あ、真名瀬くん、今度うちに入った新人ちゃんが ね、そこの控え室にいるから。君の初めての後輩だし、いろいろ教えてあげてくれる?」 マネージャーにそう言われて開けたドアの先に、同じ顔をした天使が2人いた。 ……うわ。双子なのか。すごい綺麗な子たちだな……。 智也は内心、感嘆の溜め息をついて2人に見とれてしまった。 うちはモデル事務所だから、若くて綺麗な女の子なんてゴロゴロしている。まあ見た目の愛らしさと中身が、必ずしも一致しているとは限らないが。 だが、それにしても目の前の瓜二つの姉妹の美しさは、ちょっと別格な気がする。 ホームページに出す宣伝用の写真撮影の為なのだろう。お揃いのデザインで色違いの衣装を着て、髪型も化粧も合わせ鏡を見るようにそっくりだ。 「あの……今日からこちらでお世話になる橘里沙です。よろしくお願いします」 純白の衣装を身にまとった少女が立ち上がり、少しはにかみながらそう言って、ぺこんと頭を下げた。 「あ。よろしく。俺は真名瀬智也。ここでは君たちより1年先輩になるのかな」 智也はそう言ってにっこり笑いかけると、椅子に座ったままのもう1人の少女に目を向けた。     
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