雨の日はスリムな家政婦ミーチャン

盛大な挙式ではなく

新婚旅行先はハワイだった。別荘があるので一週間ステイし、帰国後にはミーチャン親族はもっと滞在したいと東京見物やらとネコバスに乗り、あちこち出掛けることになり、ミサエだけはヨシキと交際したいので都内で働くと言い出した。ミーチャンより華やかな雰囲気があり、タレントは無理かもだから、とりあえずエキストラになると、ネットでタイガープロダクションを見つけ、5000円の入会費を納めて登録したら、ミーチャンも、その金額なら、そこのプロダクションは大丈夫と賛成した。その日のうちに早速猫缶のCM出演となり、収録に猫缶料理をアレンジして撮影を新婚夫婦にレシピ紹介して食べさせる撮影だったのでミーチャンとサユリ君の食卓を囲んで和気藹々と自然に猫生活を撮影できていた。スタッフは何故か黒猫ばかりだったが、社長はトラ猫だった。偶然マダムの会社のCM撮影もした事があり、そのうちにマダムのプライベートジェット機で撮影希望で、ミサエは機長さんに再会できると興奮していた。一ヶ月後に実現できた。幸運にもミサエはCAの役で、機長のヨシキはスペイン山猫だった。精悍な顔つきで、ミサエはもう目がハートの形になり、やはりキャットフードのCMだった。「旅行先でも便利で美味しい缶詰をあなたにも。」とパッカンと蓋を開けて、スプーンで機長に食べさせて、キスシーンまであり、心臓が口から出そうと、口にハートのクッキーを咥えていた。無事撮影が終わりスタッフが居ない所でヨシキに突然キスをされ、「これは仕事じゃないからね。」と囁かれ、心臓がまたバクバクしていたミサエだった。 その日から二人の交際が始まった。厚い彼の胸に顔を埋めて、二人でゴロゴロ喉を鳴らした。 ミーチャンに続き、ミサエもゴールイン間近となった。二人の耳にはもう教会の鐘の音が聞こえて、ミーチャン家族も喜びに沸き、マダムも「めでたいザマス。」と嬉し泣きしていた。